
■■いつかパラソルの下で■■
『いつかパラソルの下で』を読む。
森絵都さんの作品といえば、なんとなく「ピュアな少女」的なイメージがあったのだが、これは違った。
厳格な父、その父に寄り添ってきた母、厳しい父とそりが合わず家を飛び出した兄と姉、そんな兄と姉を反面教師に「良い子」を生きる妹、の5人の家族の物語である。
ある日、父親が突然死んでしまう。
その死は家族に、父親の意外な秘密を運んでくる。
三兄弟は父親の秘密を探り始める。
最初は、真面目に怒りを募らせる妹に、フーテンな兄姉が引っ張られるかたちだったが、父の秘密を探っていくことで、やがてそれぞれが前に向かって進み始める――。
とまあそういった話だが、あまり重い感じはしない。さらっと読める。
本文が三兄弟のなかでもいちばん飄々としている長女の一人称で語られているせいだろうか。
父の秘密を探るにしても、すぐに「まぁいいか」と流されてしまう兄姉にたいして「あたしは諦めないよ」とひとりいきり立つ妹の様子もなんだかおかしい。
(この妹の一途さは『グッドラックららばい』の妹りっちゃんを彷彿とさせる。応援したくなる)
でも私にはその方がしっくりくる。
大切なことこそさらりと語るほうが、きっと、カッコイイと思うのだ。

