2007年09月28日

夜は短し歩けよ乙女

乙女とハルさん

『夜は短し歩けよ乙女』を読む。

今年の本屋大賞2位だったこの本は、その評判どおり、読み終わるのが惜しいと思える小説であった。
作者は森見登美彦という。28歳の男性である。京大出身で、独特の文章を書く。
京大出身で独特の文章を書くといえば、日野啓一郎もそうだが、日野氏に比べるとずいぶんとフレンドリーな感じがする。
日野氏を史的な漢文とすると、くだけた古文といったところか。

主人公は「彼」と「彼女」。
「彼」と「彼女」は同じ大学のクラブの先輩と後輩である。
「彼」は出会った瞬間「彼女」に一目ぼれをし、なんとか「彼女」に近づきたいと、試行錯誤、七転八倒、四苦八苦、右往左往、悪戦苦闘、五里霧中、まあとにかく大変な苦労をしている。
一方「彼女」はそんな先輩の様子にまったく気づかず、いたってマイペースに大学生活を楽しんでいる。

物語は4つの章に分かれている。

第1章、「彼女」が夜の先斗町を歩き回る。
第2章、「彼女」が古本市を歩き回る。
第3章、「彼女」が学園祭を歩き回る。
第4章、「彼女」がひどい風邪が流行するなか、知り合いを見舞いに歩き回る。

「彼」は「彼女」のストーカーもどき(←というかもうストーカー)なので、夜の先斗町にも、古本市にも、学園祭にも出現する。
しかし「彼」はなんというかとてもややこしい性格なので、毎回命がけ(←ほんとうに命がけだ)の活躍をするも、なかなか実を結ばない。

果たして「彼」は「彼女」ときちんと知り合うことができるのか!?(←ハードル低)

そんな「彼」視点で気を揉むのも楽しいが、とにかく「彼女」がとんでもなくチャーミングなので、実際のところ「彼」の不毛な暗躍は二の次であった。
いいかげん「彼」がかわいそうだが、まあ仕方が無い。
とにかくとても面白かった。別の作品も読んでみようと思う。
posted by 飼い主M at 23:16| Comment(3) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月26日

ライフワーク

wakeup!

ピロウズ(the pillows)のライブに行く。

16歳の頃に出会ってから、彼らの音楽はもはや私の人生の一部となっている。
ライブがあると、未だ年甲斐もなくいそいそと出かけていく。

私はとても出不精で、何をするにも腰が重い。
なので、たいていの場合、我が家で開催されるお出かけイベントは、企画の持込から予約等の手配まで、すべて夫が行う。
しかしこのライブだけは、私がスケジュールを調べて私がチケットを予約する。
これがもう10年以上続いている。たいしたものである(←自画自賛)。

というわけで今回も私がチケットを予約したのだが、実は2日前まで、23日(日)になんばHATCHでライブがあると思い込んでいた。
22日の夜、チケットに印字された「24日(月)/ZEPP OSAKA」という文字を見て心からおののく。
このライブが三連休の中日にあるというので、自身の持ち込み企画であるキャンプをあきらめた夫に、真実を打ち明けるのには相当の勇気を要した。

さてライブである。
結論からいうと、とても、とても良いライブであった。

最初の曲のイントロが流れたときから、ある意味、勝負は決していたのだと思う。
それまで友達と話したり、会場に流れる音楽に身を任せたり、携帯をいじったり、てんでバラバラだった観客たちの中から、巨大なモンスターが確かにムクリと起き上がったのだ。
それは鳥肌が立つような一体感であった。

あの場所には、とんでもないエネルギーが潜んでいた。
愛すべきモンスターに突き動かされるように、ボーカルの山中さわお氏は歌い続ける。叫び続ける。

昔はとにかく前に進んで人の波にもみくちゃにされながら飛び回り、時計を飛ばし(←夫)指輪を飛ばし(←私)、ライブ会場で様々なものを失くしてきた私たちも、近頃は後ろでのんびり眺めるだけになっていた。
しかしこの日は、夫も私も気がつけば拳を突き上げて飛んでいたのである。そうせずにはいられない。楽しくて仕方がないのだ。
おかげで終わった頃には汗だくである。着替えを持ってなくて、とても困った(←昔はちゃんと準備していた)。

長い間、同じ人間が作り出す曲を聴き、同じ人間の歌う場所へ通い続けていると、その人が変わっていくのがよくわかる。
とんがって、迷って、強くなって、優しくなって、そして近頃、彼らはとても親密になった。

そんな彼らの音楽を、言葉を、生き方を、私はとても愛している。

あと2年でピロウズは20周年を迎える。
結成18年を越えてなお、変化し進み続ける奇跡のバンド。
これからもずっと、彼らの音楽を聴いていたい。彼らのライブで飛び跳ねていたい。
posted by 飼い主M at 19:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月21日

コーヒーミル

かもめ食堂より

コーヒーミルを購入する。
以前から欲しいとは思っていたが、

掃除が面倒そう、とか
粉でもけっこう美味しいし、とか
毎日暑いから、とか

いろいろなオトナの事情があって、購入に踏み切れずにいた。
しかし先日、とある店に陳列されたこのミルの前で夫がずいぶんとグズグズする。デザインがとても気に入ったらしい。
確かに珍しいタイプだ。しかも透明で清潔感があり、分解もできて洗いやすそうである。
この出会いは大切にしたほうが良い気がして、購入することにした。

家に帰って早速張り切って豆をガリガリしてみる。
思いのほかハンドルが固い。二人分の豆でも途中で挫折しそうだ。
ミルというのはもっと優雅に行うものだと思っていたが、なかなかに重労働である。
しかしこの労力が一般に必要なものなのか、それともウチのミルだけが要求するものなのかは、そのときはわからなかった。
どちらかというと「タイヘンだがこんなモノか」と納得しかけていた感がある。

しかし、後に他の豆を試してみたところ、どれも特に力を必要としないのだ。やはり1年前に夫が粉を間違えて買った豆をデビュー戦に持ってきたのが悪かったようであった。古い豆は人にずいぶんと労力を要求するものらしい。
おまけにココまで頑張って淹れたコーヒーは劇的にまずかった(号泣)。

初戦でひどいケチがついてしまったミルであったが、その後は順調に印象を回復している。
近頃、豆を買うのが楽しくて仕方がない。
posted by 飼い主M at 23:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月20日

風が強く吹いている

風が強く吹いている

『風が強く吹いている』を読む。

破格の家賃に惹かれて「竹青荘」に集まってきた10人の学生たちが、箱根駅伝を目指す話である。

最初は「竹青荘」住人のひとり、元陸上選手のハイジに乗せられた感のあった住人たちであったが、日々走り続けていくうちに、それぞれに何かを想い、何かに手を伸ばすようになる。
それは自分のこれからの人生だったり、大切な家族や友達のことだったり、走り続ける先に見えるひとりぼっちの美しい世界だったりする。
すべてを走り抜けたとき、彼らは何を想い、何を手に入れるのか。
この物語では、そんな「竹青荘」の住人が、ひとりひとり、とても丁寧に描かれている。

箱根駅伝は10区間を10人の選手が襷をつないでリレーする。
団体競技であるにもかかわらず、各選手はたった一人で20キロもの距離をひた走る。その間、誰も選手に触れることはできない。
走る、というのはひどく孤独な行為だ。けれど、その孤独をつないでゴールを目指す駅伝、そこには確かに強い絆がある。
だから選手は熱があろうと足がつろうとお腹が痛かろうと、必死で前に進み続ける。
だからみんな目が離せない。応援せずにはいられない。

「強くなれ。きみを信じる」

速くなれ、ではなく、強くなれ。
途中、仲間にかけるハイジの言葉は、とても印象的だ。

「竹青荘」の住人たちは、生き方も、価値観も、走るという行為に対する想いも、抱えているものも、バラバラだ。
けれどみんなとても仲がよく、それぞれが魅力的で、いとおしい。
駅伝という苦しくも優しい夢の中、彼らの時間はキラキラと輝きながら過ぎていく。
この時間が、それほどまでに美しく輝いていたことを彼らが知るのはきっとずっと後のことだ。
けれどその光は、彼らの未来を優しく照らし続けることだろう。
人生のなかに、そういう鮮やかで美しい時間があるというのは、とても幸せなことだ。

不運にも同時期に『一瞬の風になれ』という本が出て(←こちらは短距離走が中心のようだ)、それが本屋大賞を受賞してしまったものだから、個人的にどうにもションボリなイメージがついてしまっていたが、そんなことはもうどうでもよくなるくらいに、とても素晴らしい物語であった。

読み終わった後に表紙を見なおし、またしてもじんと来てしまう。
posted by 飼い主M at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月18日

雑貨屋を巡る

元町へ雑貨を見に行く。

成果物

近頃、他人様のオサレインテリアブログを食い入るように眺めていて、どうにも辛抱できなくなった。ひねているわりに、根はミーハーで染まりやすい性質なのである。

ちょうど夫もフットサルへ出かけるというので、一緒に家を出た。
夫がフットサルに励んでいる間は雑貨を眺めて幸せな気持ちに浸り、その後、合流する予定である。暑い中、夫らの練習風景を2時間見物するのは、たとえ新婚当時であったとしても難しい。

ところで元町には、繁華街から少し離れた場所にポツポツと雑貨屋が並ぶ通りがある。どこも大きな店ではないが、見たことないものや、愛読しているオサレブログに出てくるものがあったりして、眺めているだけでとても楽しい。

ところで小さな隠れ家的店舗というのは、たいていの場合、古いビルの2階にあったりする。エレベータなどは当然ないので、階段をせっせとのぼらなくてはならない。その階段は大抵の場合、急勾配である。
この界隈も例外ではなく、あちこちで急階段が出現した。おかげでスタートして数十分という早い段階で膝が激しく笑い始める。
まったく個人的な意見だが、ビル中に店が2つしかないなら、2階と4階に店を配置するのはぜひともやめていただきたい。

プルプルと笑い続ける膝をなだめすかし、なんとかめぼしい店はまわってみたが、どうもこの辺りに店は「一人暮らし/絵本や雑貨が好きです」というやや若め(当社比)の女子をターゲットにしているところが多く、欲しいと思えるものはあまりなかった。

結局、THE PENNY WISE/COLONIAL CHECKという店でランチョンマットと花瓶を購入するにとどまる。

意気込んだわりには成果があがらなかったが、それでも十分に楽しんだ。満足して家に帰る。
posted by 飼い主M at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月14日

再開(予定)

entrance

気がつけば最後に記事を書いてから、5ヶ月以上も経過していた。
驚きもしたが、自分の性格を考えると、まあこういうこともあるかなと思う。
この5ヶ月、いろいろなことがあったが、やっぱり文章を書くのはやめられない。
というわけで、今日からまたぽちぽち初めていけたらいいと思う。
posted by 飼い主M at 16:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする