『オウエンのために祈りを』
ちなみにこのブログのタイトル「The World According To...」も、J・アーヴィングの作品『ガープの世界(The World According To Garp)』からいただいている。
アーヴィングの作品は、どれも腰がくだけるほどに好きだが、なかでもこの『オウエンのために祈りを』は読み終えた瞬間、全身にゾワゾワと鳥肌が立った他に類をみない小説である。
5歳児ぐらいの身長、異星人みたいなへんな声、ずば抜けた頭脳を持つオウエンとその友達のジョンの「信仰」と「絆」を巡る長い長い物語である。
人とは違う姿形に生まれたオウエンのゆるぎない「信仰」が、やがて、奇跡を起こす。
ジョンは親友の起こした奇跡を前に、たしかな「神様」の存在を感じるのである。
そしてジョンは祈りつづける。大好きなオウエンのために――。
この小説は、ひとつひとつのエピソードも素敵なのだが(アルマジロのエピソードがとくに好きだ)、すべてはこの最後の圧倒的な奇跡に向かって集約されていく。
この物語に出てくる人々の「宗教」や「信仰」にどうもピンとこないところがあったりして、読み進めるのに苦労したが、とにかくがんばってじっくりと読みきって本当によかった。
『オウエンのために祈りを』は、ほんとうにパーフェクトな小説だ。
なんだかニューヨーク・タイムズの映画評みたいだが、これほど圧倒的に完成された小説を私は読んだことがない。

