近所のスーパーで交通整理をしているおじさんがいる。
そのスーパーはとても安くて、いつも人と車がごったがえしている。
だから真っ黒に日焼けしたそのおじさんは、夏でも冬でもとても忙しそうである。
しかし、マナーの悪い車というのはいるもので、おじさんも日々の苦労が耐えない。
あるとき買い物を終えた私(の車)を車道に出そうとしたおじさんは、道路を走る車に停止を求めて道へ出た。
おじさんが出てきたものだから、その車は止まらざるを得なかったのだが、運転手は止められたことにいたく腹を立てた。
運転手は窓を開け、おじさんに向かって
「なんだオマエ」
というような意味合いのことを怒鳴ったのである。
あぁこんなとき、ムカつくけど謝らなくてはならないんだろうな、タイヘンなお仕事だよな、と思いながら見ていると、おじさんは
「オマエこそなんだ」
といった内容の台詞を叫びながらつかつかと運転席へ詰め寄った。
予想外の出来事に私も驚いたが運転手はもっと驚いたらしく、あわてて窓を閉めてハンドルを握り、何事もなかったかのように前方を見つめる。必死の見ないフリでやり過ごそうとする、その姿はよりどころを失ったチンピラ的で痛ましい。
その後もおじさんはしばらくその車に刺すような視線を送っていたが、ようやく気が済んだらしく、持ち場に戻って、素敵な笑顔とともに私(と車)を車道へ出してくれた。
仕事としてはダメなのかもしれないが、なんだか笑ってしまう。

