2008年03月09日

正露丸

必須アイテム

先日の朝、夫が正座している私の太ももあたりにジュースをこぼした。結構大量にこぼした。
朝で魂が抜けていたこともあり、しばらくジュースをさせるがままにしていたけれど、
慌てた夫が「ぞうきん」を持って来たことで、少し我に返る。

「え、ぞうきん?」
「そうや、ぞうきんや」
「……ぞうきんで拭くん?」
「……じゃあ何で拭くん?」
「……」

夫があまりに素朴に聞いてくるので、よくわからなくなってきた。
確かに何で拭くんだろう。ぞうきん以外になにがあるんだろう。いつも一体何で拭いていたのだろう。
ぞうきんで拭いていたのだろうか。床ならまあそうだろう。
けど、今拭いているのは私の服だ。でもじゃあ何で拭くのが正しいのだろう。

残念ながらそのときはとっくりと話し合う時間もなかったので、混乱したまま会社へいく。
電車に乗ってから、ふとエジプト(←新婚旅行)での出来事を思い出した。

旅行も後半に差し掛かった夜中、私は突然ゲレゲレと吐いた。
原因がその日食べた生野菜だったことは、ほぼ間違いなかった。
旅先で生ものを食べないことは常識である。
しかし目の前で生野菜を美味しそうにバリバリと食べ続ける非常識な男(←夫)と数日を過ごしているうち、つい「アタシだって」と思ってしまった。
実際エジプトの野菜や果物はやたらとみずみずしくて美味しいのだ(←とくにトマトは絶品)。乾燥した土地だからだろうか。

そんな妻の突然のゲレゲレ劇に慌てた夫は、正露丸を持ってきた。
とめどなく襲ってくるゲレゲレで心も体もかなり弱っていたけれど、「正露丸」がどうにも引っかかって思わず言葉が出る。

「え、正露丸?」
「そうや、正露丸や」
「……正露丸なん?」
「……じゃあ何がいいん?」
「……」
「ほらここに食あたりって書いてあるし」
「……」
「とりあえず飲んでみ?」
「……う、うん……」

このときも、この場合正露丸は正しいのか、正しくないなら一体何を飲めばいいのか、随分と混乱した。
結局、正露丸は30分後、その役目を果たすことなく私の口から飛び出して便器の中へと吸い込まれていった。

便器のそばにへたりながら、流れていく黒い粒をやっぱり違ったなと妙に冷静な心持で眺めていた。旅行の記憶は薄れつつあるが、そのことだけは今もよく覚えている。

翌日、夫は同じツアーのオバサマ達に処置がなってないとこっぴどく叱られていた。
オバサマ達がいうには、ゲレゲレしているときは何をのんでもだめらしい。ゲレゲレがそこそこおさまったら抗生物質と胃薬を飲むのがいいそうだ。
ちなみに私たちはどちらも持っていなかった。結局どうしようもなかったわけだ。

結婚するということは、価値観の違う2人が一緒に暮らすということである。
私は自分の価値観にあまり自信がないのでこれから先もきっとこういうことが起こるだろう。
かといって夫の価値観もなんだか怪しい。だからこれからもきっと、痛い目をみないと学習しない。なんだか大変なのであった。
posted by 飼い主M at 23:01| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする