
■■アジアンタムブルー■■
『アジアンタムブルー』が映画化されるらしい。
私は恋愛小説が苦手で、あまり読まないのだが、この本はかなり以前に読んでいて、そして日記を書いている。
* * *
恋愛小説というのは、他の小説により読者を「完全に」引き込まなくてはならない。
だから二人で過ごすクリスマスの夜はお好み焼きではなくボルシチであるべきだし、
部屋に置いてあるのは十分の一スケールのシャア専用ザクではなくアジアンタムの鉢植えであるべきだし、
余命少ない恋人と最後に過ごす場所は有馬温泉ではなく南仏ニースであるべきだ。
しかし、その上で読者がシンクロできるリアルがなくてはならない。
それは実にギリギリのバランスの上に成り立つものであり、そういうバランス感覚が作家の力量を測るものさしになるといってもいいだろう。
恋愛小説とはなかなか大変なものだ。
そういう観点からすれば、作者である大崎善生氏はバランス感覚に優れていると思う。
上で書いたみたいに、脇を固める小道具が小洒落たものばかりで、登場する人はなんだかいい人ばかりで、ウソ臭いといえばウソ臭いのだが、これが「恋愛小説」であるということで十分に受け入れられるものだった。
そして、主人公が、恋人が、語る言葉が美しい。
彼らの語る言葉は、ひとつひとつ、小さなかけらとなって物語のなかで控えめに瞬いている。
そしてそれは、物語が終焉に向かうにつれ、より強く輝き始める。
その光はとても美しく、そして哀しい。
* * *
この小説の静かな美しさを、映画ではどう表現しているのか、気になるところだ。


大崎さんの言葉は、すっと流れ込んできて
心地よいので好きです。
映像、となるとどうなるか。気になりますね。
こんばんわ!コメントありがとうございます〜。
ニコ村さんも恋愛小説苦手なんですね。ウフ(←謎の笑み)。
個人的には阿部寛好きなので、
見てみたい気もするのですが……
DVDレンタル待ちかなと……。