
■■アイルランドの薔薇■■
『アイルランドの薔薇』を読む。
作者である石持浅海氏は、J・アーヴィングや伊坂幸太郎のように
新刊が出ると「読まなければ」と思う作家ではないが、本屋で見かけると、なんとなく手に取ってしまう。
『アイルランドの薔薇』は北アイルランド問題を扱ったミステリである。
アイルランドは今も南北に分断され、カトリックとプロテスタントの悲しい争いが続いている。
『アイルランドの薔薇』はそんな悲しい争いから生まれた、悲しい事件を描いている。
探偵役の日本人フジを除くすべての登場人物が外国人なので、視点も価値観も独特だ。
フジがややできすぎであることを除けば、構成が緻密でテンポもよく、最後まで楽しく読めた。
ところで私は昔から歴史(というか社会科全般)が苦手である。
昔に何が起こって、今の世界ができあがっているのか、実はほとんどわかっていない気がする。
だから『アイルランドの薔薇』で描かれている北アイルランド問題についても、実はまったくといっていいほど知らなかった。なんだか恥ずかしい。
しかしこの本を読んで、インターネットで熱心に調べ込んだため、逆にムダに詳しくなる(←とはいっても大したことはないが)。
こういうことは、本を読んでいると時々起こる。
これもまた、私にとって、本を読むことの楽しみのひとつである。

