2007年02月06日

失われた町

失われた町
■■失われた町■■

『失われた町』を読む。
三崎亜紀氏は、『となり町戦争』に続いて2冊目である。
実は最初に読みたいと思ったのはこの作品であったが、せっかくなのでデビュー作『となり町戦争』から読むことにしたのだ。
ものごとには順番というものがある。
となると、次は『バスジャック』(←2作目)なのではという話になるが、そこはそれ、オトナの事情というやつである(←勝手)。

『失われた町』は、タイトルのとおり、町が失われる話だ。
もう少し正確にいうなら、失われるのは町そのものではなく、そこに住む人々である。

30年に1度、町から人が消滅する。
どの町が失われるのかはわからない。
町の人たちは、わかっていながら、なぜか消滅に抗うことができない。
けれど町はすべてを奪う。とても、とても、理不尽に。
失われるのはそこに住む人だけではない。
失われた町に関わるすべての人から、声を、視力を、記憶を、そして命を奪っていく。

私は人が死ぬ話が苦手だ。
どのように描いたとしても、悲しいに決まっている。
そしてそれはなんというか、ズルイ、と思ってしまうのだ。
「失われる」というのは限りなく死に近い。
だから悲しいに決まっている。泣けるに決まっている。
案の定、何度も泣かされた。

でも私はこの物語が好きだ。
希望を信じる強い心と目的へと向かう揺るぎない意志、
この物語は、絶望の中にありながら、そういうものに溢れている。
結局そのおかげで、さらにたくさん泣かされたのであった。
posted by 飼い主M at 00:57| Comment(2) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Mさんの記事は心に響きます。
そこいらの作家さんの解説よりもずっと。


『となり町戦争』のMさんの記事を読んで
『となり町戦争』を買いました。
現在、電車の中で読んでいます。

そして、読み終わったら『失われた町』を買うでしょう。
再び2歳年下のだんなさんに「影響され過ぎ。」と突っ込まれながら(笑)
Posted by mieim at 2007年02月07日 12:41
■■mieimさん
こんばんわ〜。
コメントありがとうございます!
好きなものについて書いたことを褒めていただけるのはとても嬉しいものです。
『失われた町』もオススメです。
また感想など聞かせてくださいね。
Posted by 飼い主M at 2007年02月08日 23:27
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