
『真昼の廃人 真夜中のHigh人』というライブイベントに行く。
このイベントはganjaというバーの16周年を記念するものらしい。ganjaには行ったことがないけれど、愛するピロウズが出演するというので、なんとなくチケットを取ってみた。
午後2時に会場に到着する。このイベントはライブにしては珍しく昼間から始まるのだ。
しかし、会場で衝撃の事実を知る。終了予定時刻が午後9時(!)だというではないか。おそらくピロウズは午後8時を過ぎないと登場しないと思われた。
「なるほどー。だから『真昼の廃人 真夜中のHigh人』なんやなー」
夫は妙に感心していたが、今回は完全な私のリサーチ不足である。申し訳ない。
そしてイベントが始まってすぐ、さらなる衝撃を受ける。
ソレは優雅なティータイム午後3時、スキンヘッドに黒いブーメランパンツをはいた男性の、突然のシャウトで始まった。
彼の名は『クリトリック・リス』。イベントのトップバッターである。
とにかく延々と己の下々しい身の上話を叫び続ける彼の、ミュージシャンというにはあまりに芸人寄りのパフォーマンスに、夫婦ともども度肝を抜かれる。
”鳩が豆鉄砲を食らう”という諺があるが、私はこのとき初めて、豆鉄砲を食らった鳩の気持ちがわかった気がした。
彼はこの後もステージ上のミュージシャンが替わるたびにMC(?)として登場し、身の上話を語り叫び続けた。
ポカンとしながらもしばらく聴いていると、そのうち彼の動きとシャウトに慣れてきた。人間とは不思議なものだ。結局なんだかんだで聞き入ってしまった。彼は話も上手いし、声もよく通るのだ。
そんなわけでこのイベントが終わる頃には、『クリトリック・リス』杉村さん(←本名)の身の上にかなり詳しくなり、まるで知り合いみたいな心持にさせられる。
しかし彼はまたの名を『下ネタのナポレオン』という。
どの
しかも、基本は一人で叫ぶばっかりのくせに、そんなときだけ「ヘイカモン!」と客に絡んでくる。とても困る。
そんなわけでピロウズを見に行ったはずなのに(そしてピロウズはいつも通り素敵だったはずなのに)、帰りの電車では
「おい一休ハゲ坊主!トンチはどうした!」
という「ブラックな一休さんの夢をみた歌」(←適当に命名)のサビ部分だけが頭を回り、ピロウズの余韻にも浸れず、ganjaの場所もわからずじまいなのであった。

